コラム/めざせ達人

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めざせ達人

第226回 歩々是道場

 十一月二十二日、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の(いな)(さ)(はま)に来られ、出雲大社の十九社(じゅうくしゃ)に宿泊された。翌日から、(かみ)の宮、(しも)の宮で様々な縁結びの神議(かみはかり)が行なわれることになっている。初めて見聞きする神事であったが、稲佐の浜の神迎え神事を遠くから見守り、良きご縁を願って出雲大社にお参りした。なお、二十九日には万九千神社(まんくせんじんじゃ)での直会(なおらい)の後、帰路につかれる。

 新型コロナが5類に移行されてから、お陰で少し会員が増えてきた。また、先日は久しぶりに忘年会が行なわれ、楽しい一時を過ごすことが出来た。合気道の繋がりで、稽古、演武会や忘年会で皆様に会うことが出来たご縁は、恩師山口清吾先生から頂いたものだと感じた。

 皆様からは良き縁だと思って頂けるよう、稽古し、日々前進しなければならない。“歩々是道場(ほほこれどうじょう)”と云う言葉がある。毎日の一歩一歩が稽古であり、日常生活そのものが道場だと云う仏教の教えだ。自分の年齢は素直に受け入れ、道場での稽古は、量より質に重点を置いている。自分で限界を作ってはならない、限界はないのだという思いから、いつまでも、何歳になっても受身が取れるような稽古を心掛けている。また、日常生活においては、見る物、聞く物、すべてを合気道に結びつけて考えるよう心掛けている。

 現在の一般部は、少年部から子どもと一緒に稽古を始め、親だけ残って稽古を続けている会員が多い。子ども達は進学、就職で去って行き、合気道を継続している子は稀な存在だが、「広島に帰省すれば、道場で懐かしい顔に会えて、いつも稽古させてもらっている。」と云われるようになりたい。また、「会員の皆さん全員が素直で、高齢者から若い人まで活気あふれる道場」、「若い有段者が多い道場」でありたい。

 これは個人的な思いなので、体制を整え、明確な将来ビジョンを作成し共有したいと考えている。これを実現するには、覚悟を決めて努力しなければならないようだ。

2023年12月2日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai

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