第99回 変化

三寒四温の頃、寒波で中国地方の山間部も重たい雪の降る三月二日土曜日だった。テレビでは卒業式の様子が報じられている。光輝会でも入門部、少年部の卒業がある。入門部では、過去一年間で12名の入会があり、指導の難しさからひと月早く、二年目の二年生と三年生の5名を少年部にクラス替えした。スポーツ少年団への加入登録が少年部の会員増につながったのかどうか、定かではないが、おそらくそうであろう。また、少年部では、4名が小学校を卒業する。4名全員が一般部で稽古してくれることを期待している。

平成十七年、石川県羽咋市神子原、ローマ法王に米を食べさせたことで有名になった。高齢化で衰退する農業、年間80万円の収入しか見込めないため若者は都会に出て行く。この状況を羽咋市役所職員高野誠鮮さんが救った。東京でテレビ放送作家をしていたが実家の寺を継ぐためUターンし、市役所臨時職員となった。農林水産課に配属され、年間六十万円の予算で改善を図る。農家に改革案を出すが受け入れられない。「米を売ったこともないものが何を言う、売ってみろ、目の前に客を連れてこい。」と反対される。

農家は今も家長制度。猿社会ではボス猿のところに若いオス猿が来ると威嚇するが、メス猿が来ると知らん顔していることから、国交省のインターン事業を利用し、酒の飲める女子大生2名を派遣要請した。農家の親父と酒を飲み、昼はよく働いた。このことで農家の人の受け入れの許容が広がった。ローマ法王への米の献上が成功し、平成十九年には農業法人神子の里を発足し、一年目から黒字となった。

何かを変えようと思えば、工夫し、失敗を恐れず勇気をだして行動すること、変化のための「軋轢」を恐れるなと高野さんは教えている。誰もが不可能と思っていることでも可能にすることもできる。山奥の交通の便の良くない道場では人は集まりにくいというのは無策の言い訳。一般部の休みの多い会員が、行けば楽しい、もっと行きたくなる、そんな魅力のある元気な道場をめざしている。

 

 

2013年3月3日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai