ひとつひとつ、積み重ねていくことの大切さを、先日行なわれた安野師範の講習会で痛感した。安野師範は六十五歳にして、益々、衰えることのない、気迫のこもった技を披露された。一方、今回も多くの初対面の方に相手をして頂いたのだが、どこで、どんな稽古をしているのかと思わせるような人と遭遇した。
有段者なのだが、受身がかみ合わない、技をとおしてのコミュニケーションが成立しないのだ。初めて試みる技なのであろうが、問題なのは技ではなく、その受身ができていない、かみ合っていないのだ。初めての技でも受身ができないということはない。受身の大切さを知らなければならない。
『小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道』というのはイチロー選手の言葉。積み重ねるものは違うかもしれないが、合気道でもまったく同じことが言える。
少年部では、「礼」から始まり、「正座」、「基本動作」、「受身」、そして合気道の「技」を身につけていく。これを、ひとつひとつ積み重ねていくことが大切。最初の「礼」がきちんとできないが、技はうまくできるという子はいない。「受身」はできないが「技」はできるということはない。何も考えることなく本能的に動くのではなく、自分自身を律することができるようになれば、技も少しずつできるようになる。
一般部では現在、特別なことは行なっておらず、技の稽古を行なうのみだ。基本動作、受身は稽古の中で確認している。技のなかで基本動作を確実に再現できるようにすること、良い受身が取れるようになること、そして、相手が変わっても技が自分の思うようにできるようになること。これをひとつひとつ積み重ねていく稽古でなければならない。
合気道の技は師範によって様々に変化する。講習会の冒頭で安野師範が言われたように、講習会では自分の技を捨てて稽古することが重要。これが、自分の技、道を深める方法である。この方法を、ひとつ積みかさねて、一歩前進。。。
