六人の若い力が亡き母の棺を運んだ。どの子も母の暖かい愛情を受けた孫と曾孫たちだった。関西方面から駆け付けたにもかかわらず、コロナ禍のために、危篤状態での面会を許されなかった曾孫もいた。また、母の葬儀のおかげで親子の関係が修復できた曾孫もあり、親族の関係を深める家族葬だった。
曾孫の中には、老後の生活資金二千万円を貯金する料理人、一晩で十万円を飲んでしまう整備士もおり、懸命に生きるエネルギーを感じた。“目標”、“夢”を持って日々の生活を送ることが、どれだけ大切なことかと言うことを実感した。
坂村真民 詩集 「二度とない人生だから」より
名刀のように
出会いの一瞬で
すべてはきまる
だから
その時のために
心を磨いておくのだ
名刀のように
本当に大切な一瞬は、いつ訪れるかわからない。道場での稽古にも、“大切な一瞬”はやってくるので見逃してはいけない。訓練・稽古だから、相対稽古のなかでは勝った、負けたはない。しかし、時に相手が無礼な態度で攻撃してくることがある。最悪、力でねじ伏せることもひとつの方法かもしれないが、どう対処すべきか、最善策を考えよう。大切な一瞬のために、いつも心を磨いておこう。