第184回 コロナウィルス

中国の武漢で新型コロナウィルスの感染者が確認されて、三か月になる。新規感染者の封じ込めに成功したと報道されたが、日本で中国と同じような対策がとれるとは思えない。長期戦となるのではなかろうか。

島根、鳥取、岩手の三県はいまだ新型コロナウィルスに感染されていないようで、過疎地がこれ程、有難く感じられたことは今まで一度もなかった。このコロナウィルスが過疎地の価値観に、良い変化をもたらすことを期待している。また、人は自然の中で、土に触れて生きるべきだという思いを強くした。

稽古を再開しようとしているこの時、中止した五週間前より事態は悪化している。この週末には、湯崎知事からの不要不急の外出自粛要請が出されるかもしれないという状況にあるが、あえて稽古をしてみたいという気持ちが強くなり再開に踏み切った。賢明な人は家に、合気道に取りつかれた人は道場に行くだろうと思い、絶対に接触しない方法で稽古しようと決意した。自分以外の人間は感染していると思って行動することが必要だと思っている。

 知事からの外出自粛要請を聞けば、それに従うしかないだろう。それが日本人というものらしい。一九二二年十一月、アインシュタインが来日し、その時の日本の印象を残しているようだ。『自らの感情や憎悪をあらわにしないで、どんな状況下でも落ち着いて、ことをそのままに保とうとするといった日本特有の伝統がある。』、『日本人は、これまで知り合ったどの国の人よりも、うわべだけでなく、全ての物事に対して物静かで、控えめで、知的で、芸術好きで、思いやりがあって、非常に感じの良い人たちです。』また、『日本は絵の国、詩の国であり、謙虚の美徳は、滞在中最も感銘を受け忘れがたいものとなりました。』

少し褒めすぎのような気がするが、大正時代の日本人の遺伝子は今も引き継いでいると思う。この難局を乗り越えるには、一人一人の賢明な行動が大切ではあるが、何もなければ、この週末、感染防止を最優先に稽古させて頂く。

2020年4月8日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai