第71回 最高の受身

先月のこと、今年も広島国際合気道主催の講習会に参加した。指導は愛媛県支部の鈴木さん、「いろいろな合気道があります。私の合気道は危険な合気道です。」とご自身で言われるとおり、当身は遠慮なし、関節技は強烈、しかし、その体裁きには安定感があり綺麗だと思った。また、剣、杖も自在に使っておられる。この講習会では、自分自身に足りないものを見た。

また、福山合気会のお二人と久しぶりに楽しく稽古できたのだが、稽古相手は初心者の人が多く物足りなさが残った。合気道の極意は受身、受身しだいで楽しくもなり、単調でつまらない稽古にもなる。相手が初心者に限らず有段者でもそうだ。今回も残念ながらそのような稽古があった。この技はこの受身と決まっているようで、型にはまった受身から抜け出せないようだ。こうなってくるとワンパターンな稽古になってしまい全く面白みがなくなるので、投げを少し変化してみるが、反応は全く同じ。これでは面白くなりようがない。受身が稽古の面白さを左右する。

少年部はまさにこのワンパターン受身のど真ん中。型稽古の欠点が露呈しているのだが、子どもにとっては技の意味を理解するにはとても困難なことだ。しかし、稽古に慣れてくると受身を取らない子が現れてくる。技がかからなくできる方法に気づくのだろうか。これを放っておくと稽古にならなくなってしまうので、すぐさま注意し止めさせる。

相手のために受身を取ることが結局は自分自身のためになることを理解しなければならない。誰とでも楽しく稽古できることが理想であり目標だけど、時にはいやな相手に当たることがある。そんな時も、相手から逃げてしまうと全く意味のない稽古になってしまうので、常に最高の受身を心がけないといけない。また、相手から学び取る姿勢を忘れなければ必ず良い結果を得ることができると思っている。

 

 

2010年11月7日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai