第225回 脳磨き

 第二十三回定例演武が間近に迫ってきた。日頃の稽古の成果を家族に観て貰える年に一度の機会だ。観客の前での演武には通常、緊張感を伴うものだが、意識して自身に緊張という負荷を掛けた状態の中で演武を行なうのが良いと、私は思っている。失敗も有るだろうが、失敗は肥料になる。真剣勝負であれば斬られることになるが、その失敗をしっかり受止め、同じ失敗を繰り返さないことが大切だ。緊張状態の中で平常心を保って居られるようにするにはどうすべきか、失敗しない為に。

 その答えが脳科学にあるようだ。脳科学者岩崎一郎さんの考えによると、精神修養により心を整えることで、命の危険に晒されたような時でもリラックスした集中状態に入る確率を高めることが出来るようになると云われる。

 剣豪が精神修養に励むのは、脳の無意識領域にある脳幹や島皮質という部位にある、リラックスした集中状態に入る為のスイッチを入れる作業だと云われる。また、大谷祥平選手がゴミ拾いを励行するのもそこに通ずるものがあると岩崎一郎さんは云われる。また、自分の意志でコントロールできない潜在意識、無意識を活用する方法を岩崎一郎さんは、“脳磨き”と云っている。

 脳磨きの六つの方法を紹介する。『一、感謝の気持ちを持つ 二、前向きになる 三、仲間と心を一つにする 四、利他の心を持つ 五、マインドフルネスを実行する 六、AWe(オウ)体験をする』(AWe体験とは畏敬の念を意味し大自然や大宇宙に心震えるような感動体験をすること)“感謝の気持ち”とは普遍的感謝のことで、生きていることへの感謝など当たり前で些細な事への感謝の気持ちを抱くこと。利他とは他人の為に行動すること。マインドフルネスとは座禅、瞑想のこと。  脳には驚異的な柔軟性があり、鍛えれば一生成長を続けることができるそうだ。脳磨きを習慣づけることが重要で、この習慣が出来ると、失敗しない幸せな人生を送ることが出来ると云う。一つでも難しいことを六つも・・・前向きにならないと!!

2023年11月8日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai