第70回 目標設定

アメリカメジャーリーグで活躍するイチロー選手だが、今年の9月、日米通算3500安打をマークし、その5日後にMLB史上初の10年連続200安打を達成した。その時、「チームメイトが喜んでくれたから、自分も喜んで良いのだと思った。」という。イチロー選手は1973年10月22日生まれ、36歳の記録だった。イチロー選手は最終目標をどこに置いているのだろうか。

20歳の頃、キャンプ期間中二軍でプレーしていたイチロー選手は夕方に練習を終えると早々と眠りに就き、深夜に室内練習場で数時間特打ちするのを日課としていたが、シーズンが始まり一軍入りすると全くといって良いほど練習をしなくなった。その理由は、「体が疲れすぎるとバットが振れなくなるから」ということだった。一軍での実績が何もない時だが、自分のやるべきことを理解し行動していたと、その当時、バッティング投手をしていた奥村さん(NPOベースボールスピリッツ理事長)は言っている。

イチロー選手の根底にあるものは、次のような言葉のなかに見つけることができる。『バットが持ちたくて持ちたくてしようがない。そういう心境で試合に臨みたい。また、初めてお父さんとキャッチボールした時、またやりたいと思った。そういう気持ちが自分でしっかりつくれれば、絶対に技術って向上していくと思う。』

また、奥村さんは、彼の取る行動や言葉のすべては他とは一線を画すものだったといっている。例えば、『目標って高くしすぎると絶対にダメなんですよね。必死に頑張っても、その目標に届かなければどうなりますか?諦めたり、挫折感を味わうでしょう。それは目標の設定ミスなんです。頑張れば何とか手が届くところに目標を設定すれば、ずっと諦めないでいられる。』

いつまでも少年時代の喜びを忘れないでいられるイチロー選手、自分で目標をクリアしていくその先の最終目標は何だろうか? 学ぶべきことは多い。

 

 

2010年10月3日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai