第204回 硬柔曲直

 初夢は、「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」の夢を見ると縁起が良いと言う。富士は「無事」、鷹は「高い」、茄子は「成す」という言葉にかけられている。私は、滅多に見ない夢を、初夢で見たのだが、鷹でも茄子でも無く、襲ってきた相手に入身して倒した夢だった。この夢は、“困難を難なく乗り越えることができる”と解釈して、新しい年の元旦を清々しく過ごすことができた。

 私の人生七十才が、今でも信じられない出来事で、人生の第二ステージに居ることを実感した令和三年だった。筋肉は徐々に失われ、関節は柔軟性が失われて硬くなり、受身を取ると痛み、全てが変わったと感じている。七十才が人生の第二スタート地点だと心得、硬くなった関節を柔らかく、曲がった関節を直にする“硬柔曲直”(造語)を第二ステージの目標として日々努力することを楽しみたい。

坂村真民の「老いること」

  老いることが

  こんなに美しいとは知らなかった

  老いることは

  鳥のように

  天に近くなること

  花のように

  地に近くなること

  しだれ柳のように

  自然に頭のさがること

  老いることが

  こんなに楽しいとは知らなかった

 今は老いることは“痛い”という言葉しか浮かばないが、美しい、楽しい、という心境に一歩一歩近づいて行きたい。

2022年1月5日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai