初段  I・S  

合気道と私

合気道との出会いは、テレビドラマ「まんてん」。宮本信子さんの凛とした美しさに惹かれ、即ネット検索し、合気道光輝会を知り入会しました。道場と言うものに足を踏み入れるのは初めてという私には、真っ白な稽古着も、青畳も、道場に響く畳の音も、すべてが珍しく新鮮でした。

無邪気に相手をしてくれていた少年は、だんだんとハニカムようになり、あっという間に伸び盛りの若者になりました。私は手と足をぎこちなく動かしながらも、なんとかやってきました。そして、合気道の楽しさと稽古後の爽快感を知りました。

あれから6年。白い帯に昇級の記録を書き留めています。インクが落ちて薄くなってゆく文字に長い月日を感じます。「50才までには袴がはきたい。」の願いに答えてくださった大畑先生に、感謝の気持ちでいっぱいです。

袴姿のお手本は藤井さん。彼女のしなやかで美しく芯の強い動きは、今でもしっかり覚えています。彼女の、猫のように柔らかく受け身をとり、鋭く向かう姿が理想です。

大畑先生に投げられた時の、あの一瞬が好きです。飛ばされる恐怖などなく、落ちてからの痛みもなく、ふわっと空気と一緒になり、次の瞬間、畳の上に居る。「あっ!」と「なぜ?」が交錯する一瞬です。相手にこんな気持ちを待たれる合気道がしたいと思います。
合気道の階段を一つ上がろうとしている今、うれしさと不安が同居しています。少し知ったばかりに、いろいろなことを考え、小さくなっている自分がいるもの事実です。そんな時こそ、合気道新聞に書かれている開祖の言葉を繰り返し読み、かみしめ、肩の力を抜く私です。

今年、丑年。私、年女。次の年女にも合気道をしています。誰にもおばあさんとは言わせない合気道を、きっと、しています。私には尊敬する先生と、女だからと手を抜かずに稽古付けてくれる仲間と、ちょっと教えたくなる若い子たちがいます。私は、教えていただくとおり一生懸命に、素直に、元気に、稽古するだけです。「好き」と「楽しい」が、私を後押ししてくれます。それが、夢をかなえるために、私を大胆にしてくれるのです。

 

2008年12月10日