参段 E・W

『参段』 

 この度、弐段から参段へ昇段することができました。
 弐段を習得したのは4年前です。その頃から現在に至り何が自分の中で進歩してきただろうか?改めて考えてみました。

 私の中で4年前から変わってきていると感じられるところがあります。
 まずひとつは「観察する目」。
 稽古の中で先生がお手本を見せてくださいます。以前の自分の目線では、①「今のは何の技で、どういった崩しで、どの様なうごきか?」を見て、次に②「前回教わった技と何が違うのか?」、そして③「身体の使い方やどこの、どの部位がどのように使われているか?」など、短い時間では結局よくわからずに終わってしまうことも多々ありました。
 それが最近では、経験や稽古を重ねてきたからなのか、①の確認にさほど時間を要さず、②と③の確認に長く時間を充てることができ、集中して先生のお手本を観ることができるようになりました。観察する目に「ゆとり」が生まれたのだと思います。これは何ものでもない、積み重ねた稽古と経験により培われてきたものだと感じています。
 そしてもうひとつの進歩は、初段の時にも触れましたが「受け」です。
 「受け」の大切さは合気道を続ける限り永久です。その中でも私なりにわかってきた・感じてきた事があります。それが「姿勢」です。相手の力の入り方・方向を感じ取るには、自分の骨盤を真っすぐに立てた、良い姿勢だと感じ取りやすく、また自分の力を相手に伝える時も、やはり骨盤を立てて、相手にまっすぐに向き合い、前足6、7割・後ろ脚4、3割の配分で構えると“肚”が決まり、自分の体勢が安定し、きちんとした「受け」が取れるように感じます。

 合気道を続けていけばいくほど、知れば知るほど奥深く、体の構造や仕組みを十分に熟知された上に創り出された技だと感じます。その技に力の流れや方向、相手との距離(間合い)や、人間の心理などが乗ってひとつの技になるということに気付けたように思います。
 ただ頭の中で気付き理解しても、それが自分の身体の端々に伝え表現できるようになるには、考えただけでもとんでもない月日がかかることが想像でき、いつか自分が納得できる動きができるようになるのだろうか…?気が遠くなるような課題です。

 今挙げた課題や気付きに少しでも自分を近づける為には“常”にそれらを意識して、稽古に臨むしかないと思います。不思議なもので、稽古や経験を積んでいくともちろん解決できる課題もありますが、問題提起の方が多く出てくるのも合気道の面白いところだと思います。また自分の意識の持ち方が、その後の自分形成に大きく影響するということを、今53歳になって、合気道を通して理解し学べたことに感謝しております。
 これからも『飽くなき合気道』楽しんでいきたいと思います。

2024年12月2日