私は、力だ。
力の結晶だ。
何ものにも打ち克つ力の結晶だ。
だから何ものにも負けないのだ。
病にも、運命にも、
否 あらゆるすべてのものに
打ち克つ力だ。
そうだ！！
強い力の結晶だ。
これは、中村天風の「力の誦句（しょうく）」。声に出して自分自身に何度も何度も言い聞かせていると、少しずつ元気が出て来る。声に出すことが一番大切なことだと考えている。
入門部での試みだが、全員で道場内一周の馬跳びを毎回することにしている。始めた当初は、トラブルの連続だった。台になった人の間隔が狭くて飛んだ人がぶつかる、手をついて飛ぼうとした時に台が動いて顔から落下するなど、なかなか前に進めない。そこで、注意事項を４つ挙げ、馬跳びの前に注意事項をひとり一つずつ言ってから始めることにした。毎回、ひとつ言うことで意識が変わって来た。今日は言わずにやってみようとすると、「先生、まだ言ってないよ」と催促される。まだ完璧ではないが、小学１年から４年生までの年齢差のあるチームにしては立派なもので、馬跳びがスムーズに流れるようになった。
次は、この手法の技への転用だ。小学校低学年では技の注意を何度繰り返し言い聞かせても、動作を始めると同時に、意識は別のところに行ってしまうようだ。声に出して何度も自分に言い聞かせ、言葉の力で、技を完成させることができれば難しい技も夢ではない。
