第188回 遺伝子をオン

 再び新型コロナ感染の恐怖が起こっている。感染者の増加によって、私達の身のまわりに、新型コロナウィルスが確実に近づいている。日常生活にも、稽古にもより一層対策を強化しなければならない。薬による治療が可能になるまで、新型コロナ禍以前の生活には戻れないことを、私達は認識しなければならないと思っている。

ウィルスが誕生したのは、およそ三十億年前、それに対しホモサピエンスが誕生したのは二十万年前だそうだ。医学が新型コロナウィルスに勝つことができるのかどうか、私達は待つしかない。生命科学研究者の村上和雄さんがパンデミック後のあり方を提唱している。それは、“遺伝子をオン”にすること。遺伝子が日常生活とどのように結びつくのか理解し難いところがあるのだが..。

村上先生からのメッセージは、『遺伝子にはスイッチがあり環境や状況に応じて極めて柔軟にオン、オフを繰り返している。遺伝子情報そのものを変えることはできないが、必要な遺伝子を作動し、不要な遺伝子を休止させている。オンやオフは私達の心の持ち方や生活態度、外からの刺激である環境によっても変わることが分かってきた。オンにした方が良い遺伝子、オフにした方が良い遺伝子がある。良い遺伝子をオンにする秘訣は“プラス発想”、つまり自分自身に起きることは“すべてプラス”という捉え方をすること。いまコロナ禍で世界中が困難な状況になっています。だからこそ“プラス発想”が必要。それに気付いている人たちは、これを変革の良い機会と捉えて、新しい発想を積極的に発信している。従来のようにヒトの欲望を満足させ、他人より快適な生活を追及するのではなく、“精神的な満足”を与える商品やサービスの開発、自然と調和する経済活動も可能なはず。そして、“持続可能”ということをあらゆる活動の指針にすることも大切なことではないでしょうか。』

 私達の稽古では、剣術に取り組む時間を得た。しかし、組み合っての稽古でしかできない技をどのように稽古するか模索中だが、技を理解する良い機会となる。

2020年8月16日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai