第176回 誰でもできる

 益田では、気温が三十五度以上の猛暑日まではならなかったが、三十度以上の真夏日が続いている。この暑さの中、畑の草を取らなければ蕎麦の種が蒔けない。百日後の収穫を計算すれば今しかないので、気力を振り絞って畑に出るが一時間もすれば限界を感じる。炎天下の農作業は、この年齢では、正味一日四時間が体力の限界で作業は中々はかどらない。

 広島の道場では、午後四時を過ぎても室内温度は三十度を超えている。無理をすれば熱中症が待っている。炎天下の草取り作業では、鍬を使うと体力の消耗が激しく呼吸も荒くなるので、小鍬で手首を使って振り下ろせば良い。無駄な力を使わないこと、また、姿勢に気をつけることは合気道と同じ。合気道の稽古も技も投げ技を少なくし、押さえ技を多くして熱中症対策をとっている。この道場は、夏は暑く冬は寒いが、夏場の暑さを乗り切った稽古の後には爽快感と、精神力の強さがプラスされることだろう。

 故山口清吾先生は、「誰でもできる合気道を教える」と言われた。もちろん特別な合気道ではなく、大先生から伝授された合気道そのものであることには間違いないが、私は「誰でもできるように指導する」という意味に理解している。特別な人しかできない合気道ではない、どんな人でも、資質の有無に関わらず合気道ができるようにしなければならないと思っている。

 熱心に週二回通っておられた年配の女性が、入門部におられた。受身も技も、同じ失敗を何度も繰り返しながら、少しずつ覚えていかれた。一年後になんとか前受身の形になり、これからどのように変わっていかれるかを、楽しみにしていたところ投げ技の受身に失敗し、顔をすりむいてしまった。これが原因で退会されることになったのは、とても残念!!できないことをできるように指導することは、容易なことではない。入門部少年部では指導方法を変えながら試行錯誤している、だれでもできる合気道にするために。

2019年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : koukikai