第163回 技の変化

光輝会顧問安野師範が指導する会のひとつの荻窪合気道同好会が、創立三十周年記念演武大会を開催した。当会の他、岩手、福岡など明大OBの関連道場からの招待演武も行われた。荻窪同好会の会員数はとにかく多いが、演武された白帯の方の人数が非常に少ないのが目立っていた。

会場到着後、私の受けを現役明大生にお願いしたところ、即座に手を上げてくれた四年生がいた。演武が初めての手合わせということもあり、予定本数より若干多めとなったが、無事役目を果たし受けの四年生に感謝。安野師範の演武を見て感じたことは、十七年前に行われた広島講習会での安野師範の技と比べると、大きく様変わりしていることだった。

大先生(開祖)は「合気道は周知のごとく年ごとに、ことごとく技が変わっていくのが本義である」といわれている。私自身も技は変わらなければならない、変わらなければ進歩はないものと認識している。正面打一教の技であれば、技の始めと終わりの形は変わらないが、技の掛け方が変化する。大先生は年ごとに変わっていくと言われているが、自分自身を省みるとそのようにはなっていない、稽古不足なのであろう。しかし、十年前と比較すると、変わった、ような気がしている。

変わる契機としては、他者からのアドバイス、失敗から学んだ工夫がある。私の合気道の基本は山口清吾先生であり、どのように変化しても山口先生の道から外れることはできないと考えている。

進歩を表す言葉に“守破離”があるが、安野師範は“離”の状況にあり、自分のスタイルを既に確立されているように感じた。山口先生の影響を誰よりも一番に受けられているが、山口先生を連想させるような技は少なくなったように感じた。変わるということは、こういうことかと...。技とともに私達は人間完成を目指し、成長を続けなければならない。ともに技を磨きましょう。

 

 

 

2018年7月1日 | カテゴリー : めざせ達人 | 投稿者 : koukikai